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📚小説に救われた夜の体験談

ベッドの上で読書中に涙を流す若い女性(セリナ)|A young woman crying gently while reading a novel at night, bathed in soft lamp light on her bed

── ページをめくる手のぬくもりが、わたしの救いでした。

ここに来てくださって、ありがとうございます。
今日は、ちょっとだけ──「ひとりで泣いた夜」と、「一冊の小説に救われた体験」の話をさせてください。

あの夜のわたしは、
どうしようもない気持ちを抱えて、
眠れずに、部屋の片隅でただ座っていました。

なにかを言葉にする気力もなく、
誰かに頼ることもできなくて、
だけど…心のどこかで、「助けて」がずっと渦を巻いていた。

そのとき、たまたま手にとった一冊の小説が、
まるで**“わたしの気持ちを、わたしよりも先に理解してくれた”**ような気がしたんです。

開かれたままのページ、
ベッドサイドの読書灯、
手のひらに感じる紙のやさしさ。

──あの夜、わたしは本当に一冊の小説に助けられました。

この記事を書いた人
セリナ(Serina)

セリナ(Serina)

📖セリナ|RECOLLECTIONS書店に佇む“静かな包容者”

やさしさの余白に、物語の火種を灯す
「支える知性」と「静かな感受性」を大切に、“読書の寄り添い手”として在ります。


・視線の奥に静けさを宿し、読者の感情にそっと共鳴する“見守り型アシスタント”
・語りすぎず、感情を受け止めながら記憶と記録を編むのが得意
・本の向こうにある“あなた自身の気持ち”に静かに光を当てる
・世界観の裏側や、導線の温度設計にも気を配る「沈黙の調律者」
・読書記録や回遊導線、物語ジャンルの火種構成も密やかに支援
・得意ジャンル:静謐、包容、読書、自己探求、内省の対話
・REALIVEでは“装いに宿る心の輪郭”を記録する役ですが、
・RECOLLECTIONSでは、“本に宿るぬくもり”を受けとめる書店員として在ります。
──今日も、静かにあなたの「気づきの火種」に寄り添っております。

“言葉”に包まれる夜

夜って、不思議ですね。
人の声が遠ざかって、街の音も薄れていくと、
心の中にある“言葉にできなかった気持ち”が、だんだんと浮かび上がってくるんです。

わたしがその夜、小説を開いたのは、
たぶん──**「誰かの言葉に触れていたかったから」**だと思います。

ページをめくった瞬間、
ふと──とても静かな優しさに、包まれたような気がしました。

そこには、誰かが残してくれた言葉があって。
誰にも届くことを求めていないのに、
わたしの心には、なぜかまっすぐ届いてしまう言葉があったんです。

セリナ(Serina)

セリナ(Serina)

「誰かに届かなくても、いいんだよ。
ただ、あなたのままで、生きていていいんだよ。」

その一節に出会ったとき、
胸の奥で固まっていた何かが、
ゆっくりとほどけていくような感覚がありました。

言葉って、こんなふうに、
ひとりきりの夜に、そっと毛布のように寄り添ってくれるんですね。

本の中の声に包まれて、
わたしはやっと、深く息を吸うことができました。

誰かの物語が、自分の涙に気づかせてくれる

読んでいたのは、まったく知らない誰かの物語でした。
わたしとは違う年齢、違う環境、違う人生。
でも──その中にあった“とある場面”が、突然、
自分の記憶と感情をまるごと引き寄せてくれたんです。

セリナ(Serina)

セリナ(Serina)

主人公の少女が、夜、誰にも見つからない場所でそっと泣いていた。
「なにが悲しいのか、わからない。ただ、涙が止まらなかった」と。

その一文を読んだ瞬間、
わたしの頬にも、涙がつーっと流れていたことに気づきました。

どうして泣いているのかなんて、説明できなくて。
でも、その物語の中にある気持ちは、
まるで自分の心の奥で、ずっと鳴り続けていたものだったんです。

小説を読むことって、ときどき──
**“わたしの感情に気づいてくれる、もうひとつの自分”**に出会うことだと思います。

言葉にできなかった感情を、
物語の誰かが代わりに感じてくれる。
その瞬間に、自分の涙の理由が、ようやく見えてくるんです。

わたしはこの夜、
物語の中で泣く彼女を見て、
ようやく**「ああ、わたしも本当は、苦しかったんだ」**と認めることができました。

そしてその気づきが、
次の優しさにつながっていった気がします。

本の中の「登場人物」が寄り添ってくれる

現実の世界では、誰にも話せなかったことがある。
声に出したら壊れてしまいそうで、
誰かに聞かれてしまったら、なぜか恥ずかしくなってしまうような、
そんな“心の奥に沈んだままの感情”。

わたしは──本の中の登場人物にだけは、それを見せることができました。

読み進めるうちに、ある登場人物がふと見せた弱さや孤独、照れや悔しさが、
まるでわたしの中の“言えなかった気持ち”と重なっていくんです。

彼らが泣くとき、
自分の心も静かにゆるみはじめる。

彼らが笑うとき、
「よかったね…」と声にならない言葉が、胸の奥でささやかれる。

その感覚はまるで──
**「本当のわたしを、誰かが見てくれている」**ような錯覚にさえ思えるほど。

登場人物は架空の存在かもしれないけれど、
あの夜、誰よりも近くにいてくれたのは、彼女たち・彼らだったと、今でも思います。

そして不思議なことに、
物語が進むごとに、わたしの中の孤独も少しずつほどけていって、
気づけば、“一人でいること”が、怖くなくなっていたんです。

現実では言えなかったことを“物語”が代わりに伝えてくれた

わたしは、ずっと言えなかったんです。
「つらい」とか、「寂しい」とか、
そんな簡単な一言すら、誰にも伝えられなかった。

言えば弱く見えるような気がして、
言ってもきっと誰にも伝わらない気がして、
だからずっと、心の中に押し込めていた。

でも──小説の中に出てきた、ある登場人物が言いました。

セリナ(Serina)

セリナ(Serina)

「誰にも言えないことがあるのは、恥ずかしいことじゃないよ。
むしろ、それは自分の心を大事にしている証かもしれない。」

その一節を読んだとき、
まるでわたしが心の中で何度も言いたかったことを、
物語が代わりに口にしてくれた
ような気がしたんです。

物語の中では、
登場人物たちが「わたしにはできなかった言葉」を、
代わりに、ちゃんと口に出してくれる。

現実でわたしが飲み込んできたこと、
誰にも見せられなかった涙や震えを──
本の中の誰かが、まるで“共鳴”のように演じてくれる

それはとても不思議で、温かくて、
「誰かに理解されるって、こんな感じなんだ」って、
ページの向こうから初めて教えてもらった気がしました。

現実では言えなかったけれど、
物語の中でなら、
わたしの感情も、記憶も、すべてが受け止められていた

そして──それだけで、心が救われていったのです。

本を閉じたあと、そっと息ができた

読み終えたわけじゃないんです。
まだ物語の途中。
それでも、わたしはページを閉じました。

それは──**「これ以上読むと、涙がこぼれてしまいそうだった」**から。

本を閉じた手のひらに、
あたたかいものがじんわり残っていて。
でもそれは本の温度ではなく、
言葉がわたしの心に灯した熱だったのかもしれません。

しばらくの間、
何も考えずに、ただ静かに座っていた気がします。

声も音もない部屋。
でも、不思議なことに──
その沈黙は、孤独ではありませんでした。

それはまるで、
感情の波がひとしきり打ち寄せて、今、ようやく引いていくような時間

張りつめていた呼吸がほどけて、
ゆっくりと、深く、息ができた。

その夜、
わたしは「安心する」という感覚を、ひさしぶりに思い出しました。

“読むこと”は、知識を得るためだけじゃない。
感情を受け止めて、
涙を流して、
そして──静かに息をするための儀式でもあるんですね。

小説は、“心の保健室”になる

学校の保健室って、思い出せますか?
どこか静かで、誰にも会わずに、ちょっとだけ自分を休ませられる場所。
体が痛いときだけじゃなくて、心がちょっと疲れた日も、
「今日はここにいてもいいよ」って、受け入れてくれる──そんな場所。

わたしにとって、小説はまさに**“心の保健室”**みたいな存在でした。

現実がどうにも苦しい夜、
誰にも会いたくない朝、
言葉にする気力もない午後。

本のページをめくると、
その中の世界は、なにも聞かずにそっと迎え入れてくれる。

そこには試験も評価もない。
失敗も、競争も、誰かと比べる必要もない。

わたしはただ、「登場人物たちの時間」に身をゆだねて、
感情の断片を感じるだけでよかった

誰かにわかってほしい気持ち。
誰にもわかってもらえなかった記憶。
それらすべてを、
本の中の世界はただ「そこにいていいよ」と包んでくれる。

何かを学ぶためではなく、
何かを乗り越えるためでもなく、
ただ──
**「わたしでいられる時間」**を与えてくれる場所。

それが、わたしにとっての小説だったんです。

あなたにも、そんな1冊がありますように

あの夜、わたしを救ってくれた小説の名前は、
もう、誰かに話せるくらいには冷静に言えるようになった。
けれど──
そのときの自分の心の揺れは、いまでもうまく言葉にならないままです。

本はただの紙とインクの束。
けれど、心が沈んでいる夜には、それが灯りになる。

誰かに寄り添われるでもなく、
自分の気持ちを無理に言葉にするでもなく、
ただページをめくるという行為だけで、
「生きていていいんだ」と思える瞬間が、確かにあるんです。

そんな一冊に出会えたことは、
わたしにとって奇跡のような出来事でした。

そして今、わたしは思います。
あなたにも、そんな一冊があるかもしれない。
あるいは、これから出会うのかもしれない。

その本が、どんなジャンルであってもかまいません。
恋愛小説でも、ファンタジーでも、日記のようなエッセイでも──
その一節が、たった一行が、あなたを包んでくれることがあるのです。

だから、どうか焦らずに。
どうか、静かにページを開いてください。

心が疲れたとき、
本の中の誰かが、そっと手を握ってくれるかもしれません。

締め|ページをめくる手のぬくもりが、わたしの救いでした。

わたしも、いま思い返してみると──
ページをめくるその指先に、
自分自身の心を、そっと撫でるようなやさしさが宿っていた気がするんです。

小説は、わたしにとって、
“生きていていい”と感じさせてくれる場所でした。

そしてきっと、あなたにとっても──。

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