仕事から帰って、気づけばスマホを眺めているだけで一日が終わってしまう。
寝る前になって、仕事のミスや言われた一言を思い出して、どっと疲れが押し寄せる。
そんな夜が続くと、
「自分の心を整える時間なんて、どこにも残っていない」
と感じてしまいます。
この特集では、流行りの話題作ではなく、
何年も、ものによっては何十年も読み継がれてきた本を中心に、
仕事帰りの夜の心をふわっと回復させてくれる二十一冊を集めました。
全部を一気に読む必要はありません。
その日の疲れ方に合わせて、今の自分に合いそうな一冊を選んで、
寝る前の十五分だけ開いてみる。
そんな小さな習慣のための本棚として、読んでみてください。
目次
仕事帰りの心を回復させる本21冊一覧
まずは、この記事で紹介する本を一覧で並べます。
| No | タイトル | 著者 | ジャンルのイメージ | どんな夜に合うか |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方 | ブリジッド ディレイニー | ストア哲学 入門 | 仕事の理不尽や不安に飲まれそうな夜 |
| 2 | 自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学 | しんめいP | 東洋哲学 エッセイ | 自分探しに疲れた夜 |
| 3 | 生き方 | 稲盛和夫 | 人生哲学 経営 | 仕事と人生の軸を整えたい夜 |
| 4 | 心。 | 稲盛和夫 | 働き方 人間学 | 人との関わりに消耗した夜 |
| 5 | 道をひらく | 松下幸之助 | 人生訓 随想 | なんとなく心がささくれた夜 |
| 6 | 夜と霧 新版 | ヴィクトール E フランクル | 体験記 哲学 | 生きる意味が見えにくくなった夜 |
| 7 | 置かれた場所で咲きなさい | 渡辺和子 | エッセイ 人生訓 | 環境に不満が募る夜 |
| 8 | 嫌われる勇気 | 岸見一郎 古賀史健 | アドラー心理学 | 他人の目がこわくなる夜 |
| 9 | 幸せになる勇気 | 岸見一郎 古賀史健 | アドラー心理学 実践 | 人間関係を変えたいと感じる夜 |
| 10 | 反応しない練習 | 草薙龍瞬 | 仏教 思考法 | 感情の揺れに振り回された日 |
| 11 | うまくいっている人の考え方 完全版 | ジェリー ミンチントン | 自己啓発 自尊心 | 自分に自信が持てない夜 |
| 12 | 何があっても大丈夫と思えるようになる 自己肯定感の教科書 | 中島輝 | 自己肯定感 実用 | 自分にダメ出しばかりしてしまう夜 |
| 13 | いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本 | 根本裕幸 | 心理 認知 | 何かあるとすぐ自分を責めてしまう夜 |
| 14 | 「本当の自分」がわかる心理学 すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある | シュテファニー・シュタール | 心理学 入門 | 自分の心の仕組みを知りたくなる夜 |
| 15 | 私は私のままで生きることにした | キム スヒョン | 韓国エッセイ | 人と比べて落ち込んだ夜 |
| 16 | あやうく一生懸命生きるところだった | ハ・ワン | 韓国エッセイ | 頑張ること自体に疲れてしまった夜 |
| 17 | がんばらなくても死なない | 竹内絢香 | コミックエッセイ | まじめさに押しつぶされそうな夜 |
| 18 | からまる毎日のほぐし方 | 尾石晴 | エッセイ ライフデザイン | 仕事 家事 人間関係が全部からまって見える夜 |
| 19 | あなたはあなたのままでいい とっておきの聖書のことば23 | 片柳 弘史 | メッセージ 絵本寄り | 活字を読む気力がない夜 |
| 20 | きょうの猫村さん 1〜 | ほしよりこ | 漫画 日常 | 頭を空っぽにして休みたい夜 |
| 21 | 一瞬の風になれ1〜 | 佐藤多佳子 | 小説 青春 | 違う世界に一度入り直したい夜 |
ここからは、ジャンルごとに本を紹介していきます。
それぞれの本について
仕事帰りのどんな夜に合うか
どんなふうに読むと楽になるか
を意識して書いているので、自分の今の状態に近いところから読んでみてください。
哲学で今日をリセットする|ストア派と東洋思想で視点を変える本
心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方|ストア派でコントロールできない事から心を外す
一日中、メールやチャットに追われて、
帰宅しても頭の中ではまだ上司や取引先の顔がちらつく。
お風呂に入ってもベッドに入っても、仕事モードが切れないまま朝になってしまう。
そんな夜に手に取りたいのが「心穏やかに生きる哲学」です。
著者は英国ガーディアン紙の人気コラムニストで、
古代のストア哲学を現代の暮らしに合わせて語り直しています。
本の構成は三部。
第1部 ストア哲学のエッセンス
第2部 人生とその不条理について
第3部 耐え忍ばなくてはいけないとき
と進んでいき、マルクス アウレリウスやエピクテトス、セネカの言葉が、
現代のストレス社会の場面と行き来します。
特に大きなテーマになっているのが
「自分にコントロールできるものと、できないものを分ける」
という視点です。
会社の方針
上司の機嫌
景気や社会情勢
こうしたものは、自分にはどうにもできない。
そこに心を貼りつけたままにしない練習として、
仕事帰りの夜に一章ずつ読むのがちょうど良い本です。
読む時は、最初から真面目に読み込む必要はありません。
週の前半は第1部から一日一章、
きつい一日だった時は第2部の「不条理」について語る部分だけつまみ読み。
何度か同じ章を読み返しているうちに、
「これは自分のせいではない」
と思える範囲が、少しずつ増えていきます。
他人の要求や数字に心を乗っ取られそうになった夜、
自分が引き受けなくていいものを静かに手放すための一冊です。
自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学|東洋哲学で自分探しからいったん降りる
「自分らしく生きなければ」
「好きなことを仕事にしなければ」
そんなメッセージに追い立てられて、
逆に自分が分からなくなってしまった人に向いているのがこの本です。
著者は東大を卒業し、一流企業に入社したもののうまくいかず、
地方移住やお笑いなどに挑戦して挫折し、
無職になって布団から出られなくなった経験を持つ人。
その絶望の中で出会ったのが、ブッダや老子、空海などの東洋哲学でした。
本書では、七人ほどの思想家たちが登場し、
著者の「自分とは何か」という問いに、
それぞれの立場からゆるく応答していくような構成になっています。
仕事帰りの夜、
「自分はこれでいいのか」
という問いが頭の中をぐるぐる回り始めたら、
この本の出番です。
難しい専門用語や漢文の解説をがっつり読む必要はなく、
イラストとポップな言葉が多いので、
疲れた頭でも意外とスルスル入ってきます。
読み方としては
今の自分の状態に近いエピソードを目次から探す
数ページだけ読んで本を閉じる
翌日、また違う哲学者のパートを開く
くらいの軽さで十分です。
「自分というかたまりがはっきりしていなくても、生きていていい」
という当たり前のことを、
東洋哲学の言葉を借りながら、やわらかく思い出させてくれる一冊です。
生き方|仕事と人生の判断軸を静かに取り戻す
稲盛和夫の「生き方」は、
経営者の本というより、人としてどう生きるかを問う一冊です。
仕事の成果や評価ばかりを追いかけていると、
「そもそも自分は何を大事にしたいのか」
という軸が見えなくなってきます。
この本には、
働く意味
利他の心
どんな心で仕事をするか
といったテーマが、シンプルな言葉で書かれています。
仕事帰りに読む時は、
難しい経営論として読む必要はなく、
一章を通して「今日の自分の態度」を振り返るきっかけとして活用するのがおすすめです。
たとえば、クレーム対応で消耗した夜に
「人に尽くすこと」について書かれた章を読んでみる。
自分を責めるのではなく、
自分がどんな姿勢でありたいかを静かに確認する。
そんな読み方がしっくりくる本です。
心。|人との関わりと働き方を見直すための一冊
同じく稲盛和夫の「心。」は、
タイトルの通り「心」のあり方に焦点を当てた本です。
仕事の成果や環境はすぐには変えられなくても、
自分の心の持ち方は少しずつ変えていける。
その当たり前を、具体例とともに丁寧に語ってくれます。
上司や部下との関係に悩んだり、
人との距離感が分からなくなったりした夜には、
関係性についての章を一つだけ読む。
「結局、自分はどうありたいのか」
という問いに立ち戻るための、静かな灯りのような一冊です。
道をひらく|短い随想で、心の姿勢を立て直す
松下幸之助の「道をひらく」は、
一篇一篇が見開き程度の短い随想で構成された本です。
昭和43年の発刊以来、累計五百六十万部を超えて読み継がれている、
まさに息の長い一冊として知られています。
仕事帰りの夜には、
目次をぱらぱらとめくって、
今の自分に引っかかるタイトルを一つ選び、
その一話だけ読む。
それだけでも、
「自分の行動を、もう一度ていねいに選び直してみよう」
という気持ちが、静かに戻ってきます。
落ち込みが深い日には、
「自信を失ったときに」
「困難にぶつかったときに」
といった項を開いてみてください。
夜と霧 新版|生きる意味を問い直す深呼吸のような一冊
「夜と霧」は、
ナチスの強制収容所を体験した精神科医ヴィクトール フランクルが、
その体験を通して生きる意味を語った本です。
世界で600万部を超える読者に読み継がれている名著であり、
新版として今も読み続けられています。
仕事で疲れた夜に読むには重い内容ですが、
心がすり減りすぎて
「自分がここにいる意味が分からない」
と感じてしまった時、
この本は現実を突きつけるのではなく、
人間の強さと弱さを同時に見つめ直させてくれます。
読む時は、
無理をせず、数ページでいったん閉じる前提で手に取るのがおすすめです。
世界の極限状況の話でありながら、
「どんな状況でも、人は意味を見いだすことができる」
というメッセージは、
日常の仕事に追われる私たちの夜にも、
確かな重みを持って届きます。
自分を責めがちな夜に|自己肯定感をそっと守る本
置かれた場所で咲きなさい|環境に不満が募る夜に
「もっと違う職場だったら」
「もっと理解のある上司だったら」
そんなふうに、環境への不満でいっぱいになってしまった夜に開きたいのがこの本です。
シスターであり教育者でもあった渡辺和子によるエッセイで、
累計三百万部を超えるロングセラーとして知られています。
置かれた場所で咲く
という言葉は、
「我慢して耐えなさい」という意味ではなく、
今ここにある自分の状況を、少しだけ別の角度から眺めてみる
という、優しい視点の転換を促してくれます。
仕事帰りの夜に読む時は、
一章だけをさらっと読むくらいで十分です。
心が少しやわらかくなったところで眠ると、
翌朝の職場の風景が、ほんの少し違って見えてくるかもしれません。
嫌われる勇気|他人の評価から自由になりたい夜に
「嫌われる勇気」は、
アドラー心理学をベースにした対話形式の一冊です。
刊行から10年以上経った今も新しい読者を増やし続け、
国内300万部、世界累計1350万部を超えるベストセラーになっています。
他人からどう見られるか
仕事でどう評価されるか
そこに心が縛られ続けていると感じる夜に、
この本の対話は、
人の期待から自分を切り離すためのヒントをくれます。
仕事帰りの夜は、一章丸ごと読む必要はありません。
気になった問いかけの部分だけ読んでみる。
たとえば
「承認欲求」というテーマの部分を拾い読みするだけでも、
明日一日の行動が、少し変わってくるはずです。
幸せになる勇気|人間関係を選び直したいと感じる夜に
「嫌われる勇気」の続編にあたるこの本は、
理論よりも実践に重心が置かれています。
職場の人間関係
家族との関係
変えたいと思いながら、
どう動けば良いか分からない人にとって、
具体的なケーススタディのように読める一冊です。
疲れた夜には、
全部を理解しようとする必要はありません。
登場人物のやり取りを、
自分の職場に当てはめながら眺めてみるだけでも、
「ここは変えられる」「ここは変えなくていい」
というラインが、少しずつ見えてきます。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」|感情の揺れに飲まれた一日の締めくくりに
一日が終わる頃、
誰かの何気ない一言や、
自分のミスを何度も思い出しては、
心の中で反芻してしまうことはありませんか。
「反応しない練習」は、
仏教の視点から、
心の反応をそのまま信じ切らないためのコツを教えてくれる本です。
仕事帰りの夜に読む時は、
「イライラ」「不安」といった感情別に書かれた章を選んで、
そこだけ拾い読みしてみると良いでしょう。
感情の波そのものを消そうとするのではなく、
「反応」を観察する位置に自分を移す。
その感覚がつかめてくると、
仕事のストレスとの付き合い方も、ゆっくり変わっていきます。
うまくいっている人の考え方 完全版|自尊心を静かに立て直す夜の習慣本
この本は、
「自尊心をどう高めるか」をテーマに、
自分の心の扱い方を百項目に分けて紹介している一冊です。
完全版は、
元の二冊を一冊にまとめたもので、
百刷百万部、シリーズ累計150万部を超えるロングセラーとなっています。
仕事で失敗した日や、
他人と比べて自分が劣って見えてしまう夜には、
目次から気になる項目を一つ選んで読むだけで十分です。
どの項目も短くまとまっていて、
そのまま今日一日のテーマにできるような内容になっています。
自分を責めるためではなく、
自分を大切に扱う練習として、
枕元に置いておきたい一冊です。
何があっても大丈夫と思えるようになる 自己肯定感の教科書|自分にダメ出しばかりしてしまう夜に
一日の終わりに
「今日もちゃんとできなかった」
という感想で締めてしまう人に向けた本です。
心理カウンセラーとして自己肯定感を専門にしてきた著者が、
自己肯定感が低くなってしまう仕組みと、
回復のステップを分かりやすく解説しています。
仕事帰りの夜には、
全部を理解しようとするのではなく、
チェックリストや図解の部分を眺めるだけでも、
「自分だけがおかしいわけではない」
と感じられるはずです。
いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本|謝り続けてしまう自分から降りたい夜に
職場で何かトラブルが起きると、
自分が悪くなくても、つい「すみません」と言ってしまう。
そんな罪悪感のクセをほどいていくための一冊です。
本書では、
「罪悪感」がどのように生まれ、
どんなふうに人間関係を歪めていくのかを解説した上で、
少しずつ手放していくための考え方を紹介しています。
仕事帰りの夜には、
一章読んだら、自分の今日一日を振り返ってみる。
誰の責任でもない出来事まで、
自分のせいにしていなかったか。
そんな小さな確認を繰り返すことで、
心の負担は確実に軽くなっていきます。
「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある|心の仕組みから自分との付き合い方を変えたい夜に
タイトル通り、
自分の心のパターンを理解するための心理学入門書です。
専門書というより、
「あるある」な事例を通して、
自分の考え方のクセを知ることができる一冊です。
仕事帰りに読むなら、
テストやチェックのページを中心に眺めてみると、
少し客観的な目で自分を見られるようになります。
自分を責めるためではなく、
自分を扱いやすくするための取扱説明書のような感覚で手に取ると、
距離感がちょうど良くなります。
がんばり過ぎた心をゆるめる|等身大エッセイとコミックの本
私は私のままで生きることにした|比べ続けて疲れた夜に届く韓国エッセイ
韓国発のエッセイで、
自分を他人と比べ続けてしまう人に向けた一冊です。
イラストと短い文章で構成されていて、
ページをぱらぱらとめくるだけでも、
心に残るフレーズに出会えます。
仕事帰りの夜には、
頭を使うというより、
気になるページを開いて眺める感覚で読むのが向いています。
「このままの自分ではだめだ」と感じている心に、
「そのままでも大丈夫だよ」と静かに声をかけてもらえる本です。
あやうく一生懸命生きるところだった|頑張ること自体に疲れてしまった夜に
真面目で、責任感が強くて、
つい「がんばり過ぎてしまう」人に刺さる韓国エッセイです。
著者自身が、
会社員としてがんばり続けた結果、
心身共に疲れ切ってしまった経験から、
「そこまでがんばらなくても良かったのかもしれない」
という気づきを綴っています。
仕事帰りの夜に読むと、
「手を抜け」というメッセージではなく、
「自分を犠牲にしなくても生きていける道はある」
という、静かな安心感をもらえます。
がんばらなくても死なない|まじめさに押しつぶされそうな夜に読むコミックエッセイ
この本は、頑張り過ぎてしまう人の心に寄り添うコミックエッセイです。
著者自身が、
他人と比べて落ち込みやすく、
完璧主義になってしまうタイプであることを前提に、
「力を抜いても大丈夫」という感覚を、漫画で伝えてくれます。
一コマ一コマに共感しながら、
つい笑ってしまう場面も多いので、
活字を読む余力が残っていない夜にも手に取りやすい本です。
からまる毎日のほぐし方|仕事 家事 人間関係が全部からまって見える夜に
音声配信サービスで人気の著者による、初めてのエッセイです
仕事
家事
子育て
お金
人付き合い
など、複数の役割を同時に担っている人の毎日は、
どうしても「からまりやすく」なります。
この本は、そんな日常のからまりを、
少しずつほどいていくための考え方を紹介してくれます。
仕事帰りの夜には、
今一番気になっているテーマの章だけを拾い読みするのがおすすめです。
自分だけがうまくやれていないわけではないと分かるだけで、
肩の力がすっと抜けていきます。
あなたはあなたのままでいい とっておきの聖書のことば23|活字を読む元気がない夜に眺める一冊
この本は、23の短い聖書のことばに、
やさしい解説や言葉が添えられたメッセージブックです。
長い文章を読む気力がない夜でも、
一ページだけ開いて言葉を眺めることができます。
信仰の有無に関わらず、
「あなたはそのままで大切な存在だ」というメッセージが、
静かに心に残る本です。
物語と漫画でクールダウンする|情報から距離を取るための二冊
きょうの猫村さん|猫の家政婦の日常で心を冷やす
家政婦として働く猫、猫村さんの日常を描く漫画です。
一話がとても短く、
ゆるくて少しシュールな世界が続いていきます。
仕事帰りの夜、
情報も自己啓発もいったん脇に置いて、
ただ「何も考えずにページをめくりたい」と思った時に、
ぴったりの一冊です。
猫村さんのちょっと古風で優しい言葉遣いに触れていると、
人間関係に疲れた心が、少しクールダウンしていきます。
一瞬の風になれ|違う世界に一度入り直したい夜に
高校陸上を舞台にした青春小説です。
全力で走ること
仲間とぶつかること
恋愛や進路への迷い
そういった青春の要素が詰まった物語で、
読んでいると、自分の高校時代を思い出す人も多いはずです。
仕事帰りの夜には、
現実の悩みから一度距離を取りたいと感じた時に、
この物語の世界に飛び込んでみてください。
走る描写の気持ち良さに集中しているうちに、
頭の中の仕事モードが自然と薄れていきます。
仕事帰りの夜に合う本の選び方
ここまで21冊紹介してきましたが、
一度に全部を読む必要はありません。
最後に、仕事帰りの夜に本を選ぶ時の、
簡単な目安をまとめておきます。
その日の心の疲れ方で、本を選ぶ
頭を使う余力が残っている日
哲学系の本や、自己理解の本
心穏やかに生きる哲学
自分とか、ないから。
夜と霧
頭も心もからっからの日
韓国エッセイやコミックエッセイ
私は私のままで生きることにした
あやうく一生懸命生きるところだった
がんばらなくても死なない
きょうの猫村さん
自分を責め続けてしまう日
自己肯定感系の本
うまくいっている人の考え方
自己肯定感の教科書
罪悪感がすーっと消えてなくなる本
こんなふうに、
「今日はどの棚の本が合うかな」
という感覚で選んでみてください。
全部読もうとせず、一章だけ開く
ロングセラーの多くは、
一章一章が独立して読めるように作られています。
最初から最後まで読もうとすると苦しくなるので、
寝る前の十五分で読み切れそうなところだけ開く。
それだけでも、心の姿勢が少し変わります。
息の長い本を枕元に置いておく
今回紹介した本は、
一度読んで終わりというより、
何度も読み返してこそ味が出る一冊ばかりです。
気に入った本があれば、
文庫や新書サイズのものを枕元に置いておき、
きつい夜ほど、その一冊を繰り返し開いてみてください。
今日一日のダメ出しで終わらせてしまう夜が、
少しずつ
「それでも、明日はこうしてみよう」
という感覚で終われるようになっていきます。
仕事は、明日も続きます。
だからこそ、今日の夜の心を、少しだけ整えてから眠ること。
そのための相棒として、
ここで紹介した21冊の中から、
今の自分にしっくりくる一冊を、選んでみてください。























