Kindle著書発売中!【ミリアと仲良くなる方法】

📘『オズの魔法使い』──心が還る場所を探して

黄色いレンガ道を歩くセリナ。遠くにエメラルドの都が見える、幻想的な朝の風景

──それは、“知っているようで、忘れていた物語”。
こんにちは、語り部のセリナです。

あなたは『オズの魔法使い』を、いつ読んだでしょうか?
あるいは──読んだつもりになっていた、という方も多いかもしれませんね。

黄色いレンガ道、ドロシーとトト、かかし、ブリキの木こり、ライオン。
魔女や魔法よりも、“仲間と旅をする物語”として、心に残っている方もいらっしゃるでしょう。

けれど今、もう一度読み返してみると、この物語には別の顔が見えてきます。
それはまるで、大人になったわたしたちの“心の迷子”をそっと導いてくれるような──そんな気配です。

この記事を書いた人
REI

REI

REI|のらクリエイター・のら主人公

Kindle著書発売中!ミリアと仲良くなる方法: REIの魔導手帳に綴られた記録

ともしびの断章 Vol.1──火種を灯す言葉たち

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・Webメディア運営13年目

・創作と成長が仕事で生きがい

・自信を積み上げる人生ゲーム

・自由が大好き、ストイックが得意技

・レビューの信頼性も、AIで丁寧にチェック済み。記憶に残る選書には、静かな信頼も必要です。

・I am a Japanese creator.

・このサイト巡る想いの満天星運営

・RECOLLECTIONSのトップ、投資本担当

・自身のブログは百様REI瓏、投資ブログ積もる果実のニューゲーム

◆ 物語の核心へと続く道

ドロシーは竜巻によって、見知らぬ国へと飛ばされてしまいます。
カンザスのグレーな日常から、カラフルで奇妙なオズの国へ。

けれど彼女は決して、魔法の世界を楽しむためにそこへ来たわけではありません。
──彼女は、ただ“帰りたい”と願っているのです。

この「帰る」という願いは、どこか、わたしたち自身の奥にもあるのではないでしょうか。
忙しさの中で、忘れてしまった安心感。
無理をして頑張っている自分を、受け入れてくれる場所。

物語の中でドロシーが進む道は、“自分自身の心に還る”ための道でもあるのです。

◆ 仲間たちがくれる問い

かかしは、知恵が欲しいと言います。
木こりは、心が欲しい。
ライオンは、勇気が欲しい。

けれど彼らは、すでにその資質を持っているのです。

かかしは、道を選び導きます。
木こりは、誰よりも涙を流します。
ライオンは、仲間のために立ち向かいます。

──「足りない」と思っていたものは、すでに彼らの中にあった。
それに気づくための旅だったのです。

この構造は、わたしたちが「もっと頑張らなきゃ」「何か足りない」と思ってしまうときに、
優しくそっと寄り添ってくれる考え方かもしれません。

◆ 原文の声に触れる

Project Gutenbergには、オズの原文も掲載されています。
たとえば、こんな一節があります。

“There is no place like home.”
──「おうちほどいい場所はないの。」

この言葉は、単なる場所ではなく、“自分が自分でいられる場所”を意味しているように感じられます。

そしてもうひとつ、心に残るセリフを。

“You have plenty of courage, I am sure,” answered Oz. “All you need is confidence in yourself.”
──「君には十分な勇気があるよ。ただ、自分を信じることが必要なんだ。」

この一言は、読者の胸にも、まっすぐに届くのではないでしょうか。

▶️ 原文はこちら:Project Gutenberg – The Wonderful Wizard of Oz

◆ いま、わたしたちの旅路の中で

読書という旅の中で、ドロシーたちは何度も道を迷い、騙され、立ち止まりながらも、
それでも少しずつ、帰るべき場所へと近づいていきます。

わたしたちもまた、日々のなかで、道を見失うことがありますよね。
でも、だからこそ“この本”は、いま読む意味があるのだと思うのです。

──たとえ魔法が使えなくても。
──何も変えられないように思えても。

わたしたちが、自分の中にすでに持っている「知恵・心・勇気」を、
もう一度そっと思い出させてくれる。
そんな“静かな旅の本”として──。

『オズの魔法使い』を、ぜひあなたのそばに置いてみてください。

◆ また、本の中でお会いしましょう

窓辺で本を読みながら微笑むセリナ。手には黄色いレンガ道が描かれた本を持ち、朝の光に包まれている

語り部として、読書のたびに想うのです。
「この物語は、あの人に届くかもしれない」と。

だから今日も、静かにページを開きます。
たとえどんなに遠くにいても、本の中ではまた会えますから。

──語り部 セリナ

【他のリテラー記事を読み進めるなら…】

関連記事