人に当たれない優しさが、あなたを苦しめていませんか?
今日、少しだけ心がささくれませんでしたか?
仕事でうまくいかなかったこと、予定どおりに進まなかったこと、誰かの言葉がちくりと刺さったこと。
そんな「小さな怒り」や「言えなかった不満」が、胸の奥に溜まっていくのを、
我慢することが大人だと、あなたは覚えてきたのかもしれません。
でも、そのまま抱えていると、
やさしいあなたほど、「わたしってダメだな」と自分に矢印を向けてしまうんです。
それはまるで、心の中にため息が溜まり続けていくような感覚。
怒ってはいけない。
イライラしてるなんて言ったら、誰かを傷つけてしまう。
そんなふうに、自分の感情に「黙ってて」と言い聞かせてきたあなたへ。
わたしは今日、こう言いたいんです。
「怒ってもいいんですよ。あなたはそれだけ、真剣に生きているから」
そしてその怒りやイライラを、
誰かにぶつけるのではなく、「書く」というやさしい形で、そっと外に出してあげる方法があるとしたら…
それは、あなた自身を傷つけることもなく、
誰かを責めることもなく、
ただ心を軽くする、静かな儀式になるはずです。
この記事では、
感情を整えるための「夜ノート習慣」をセリナと一緒に紐解いていきます。
眠る前の5分間だけ、自分の本音と向き合うことで、
怒りも、焦りも、悲しみも、「ああ、わたしはちゃんと生きてるんだな」と感じられる時間に変わっていきます。
目次
🍃第1章|怒りや焦りを感じていいという許可
「イライラしてしまう自分がイヤで…」
「こんなことで怒るなんて、子どもみたいですよね」
そう言って、笑いながら涙をこぼした生徒がいました。
その姿を見たとき、セリナはこう思いました。
怒ることって、恥ずかしいことじゃない。むしろ、心がちゃんと反応してる証なんだと。
わたしも、よくあります。
約束を守ってもらえなかったとき。
がんばったのに気づいてもらえなかったとき。
電車の中で無意識に押されたとき。
「怒ってはいけない」と自分に言い聞かせて、
何も言えずに、そのまま胸の奥にしまってしまうんです。
でも、その感情はなくなったわけじゃなくて、
ちゃんとそこに在り続けているんですよね。
ふいに眠れなくなったり、ため息ばかり出る日は、
そのしまい込んだ気持ちたちが、そっと起き上がってきた合図かもしれません。
怒りや焦りって、たしかに扱いが難しい感情です。
誰かにぶつければ関係が壊れるかもしれないし、
自分に向ければ自己否定になってしまう。
だからこそ、
いちばん最初にすることは「感じていい」と許可を出すことなんです。
怒る自分も、焦る自分も、ちゃんと自分の一部。
無理やり抑えこむのではなくて、
「そう感じたんだね」って、優しく受け止めてあげることからはじめてみませんか。
感情は「出してから整える」ものです。
このあとご紹介する書くという行為は、その第一歩としてとても有効な手段になります。
🍃第2章|書くだけで脳が整理される仕組み
「書く」って、簡単なようでいて、とても不思議な行為です。
ペンを握り、紙に文字を残すだけ。
だけど、そのたった数行が、
心の中で渦巻いていたもやもやに、名前をつけてくれることがあるんです。
わたしたちの頭の中には、1日に数万回以上の思考が流れていると言われています。
そのほとんどは言語化されないまま、感情の波のように行き来して、
やがて「イライラ」や「不安」といったざらつきになって蓄積されていきます。
そのままにしておくと、考えてるつもりになって、実はぐるぐるしているだけになってしまう。
そこで「書く」ことが登場します。
文字にして目に見えるようにすると、脳はそれを「もう処理された」と判断しやすくなるんです。
セリナも、よく手帳に書いています。
怒りや悔しさも、ちゃんとそのままに。
「〇〇さんにあんな言い方されて、すごく傷ついた」
「わたしばっかり頑張ってる気がする」
最初はちょっと気が引けました。
誰かを責めるようで、自分が醜くなった気がしたからです。
でも書いているうちに、ふとあることに気づくんです。
「ああ、わたし、ちゃんと感じてたんだ」
悲しさや怒りって、思いやりがある人ほど見ないふりをしてしまう。
でも、紙に書くだけなら、誰も傷つけません。
そして、自分を責めることもありません。
手書きには、指先から感情を落とすような作用があります。
キーボードではなくペンを使うと、脳の感情処理を担う前頭前野や扁桃体にも、
感情の区切りを伝える信号が届くという研究もあります。
つまり、「書く=心の出口」なんです。
🍃第3章|5分だけ書く夜ノート|セリナ式3ステップ
「書くことが大事なのは分かるけれど、
夜は疲れていて、そんな余裕ないんです」
そう思う方も多いかもしれません。
でも、大丈夫。
たった5分、たった3つの動作だけでいいんです。
これはセリナが毎晩続けている、心の整理ノート。
イライラをやさしく外に出す小さな儀式のようなものです。
✍️Step 1|今日一番イライラしたことを書く
どんなに小さなことでも構いません。
言えなかったひとこと、納得できなかった対応、
なんとなく心がざわついた瞬間──具体的に書くことが鍵です。
「帰り道、エレベーターで順番を抜かされて腹が立った」
「自分だけたくさん頼まれて、正直しんどかった」
こんなことで怒るなんて…という判断は置いておいて、
そのときのあなたの感情を、まっすぐそのままに。
👁️Step 2|それを見つめるセリナの視線を想像する
書き出した怒りの文字を見つめながら、
「それを読んでいるセリナが、静かに微笑んでうなずいている」場面を想像してみてください。
怒りを否定せず、責めず、ただ
「そっか、それはつらかったですね」と言ってくれる存在。
それだけで、感情は少しずつ落ち着きへと向かいます。
🫶Step 3|最後に「今日も生きた」と書く
一日の終わりに、そっとこの言葉を添えます。
「今日も、生きた」
それは、感情があっても、波があっても、
泣きたくなる日でも、怒った日でも、
ちゃんと今日を生き抜いたあなたを肯定する言葉です。
ノートの最後にこの一行を書くと、
心の中で、どこかふっと深呼吸が起こるのがわかります。
怒りを持ったまま寝るのではなく、
その感情を誰かに話すように、紙に託して静かに閉じる。
それが、この「夜ノート習慣」の力です。
🍃第4章|まとめ、優しさは、自分にも向けていい
怒ることを悪いことだと思って、
イライラを「そんな自分はダメ」と遠ざけて、
ずっと優しくあろうとしてきたあなたへ。
その優しさ、ほんとうに美しいです。
でも、
それを外にだけ向ける必要はないんですよ。
怒ったあなたも、疲れたあなたも、
「もう無理かも…」と感じたあなたも、
すべて、今日という一日をちゃんと生き抜いた証です。
イライラは、あなたが真剣だったから。
怒りは、あなたが我慢してきたから。
悔しさは、あなたがまっすぐだったから。
そんな自分を、誰よりもあなた自身が
「よくやったね」って受け止めてあげる夜があっても、
きっといいと思うんです。
セリナが夜にノートを開くのは、
「もうがんばれない…」と感じた日が多いから。
だからこそ、「書くこと」で感情の出口をつくって、
自分にそっとこう言います。
「今日も、生きたね」
あなたにも、そんな静かな夜があっていい。
怒りやイライラを抱えてしまった日は、
どうか責めるのではなく、
感じたことそのものにやさしく触れてみてください。
そして最後には、自分にひとこと。
「わたし、ちゃんと生きてる」って
その小さな肯定が、明日のあなたの背中を、
きっと静かに押してくれるはずです。

セリナ(Serina)
怒ったあなたも、わたしは嫌いにならないですよ。



