「ギリシャ神話をちゃんと知りたいけれど、難しそうで手が出ない」
「創作のネタとして使いたいけど、どの本から読めばいいのか分からない」
そんなヤングアダルトから社会人のクリエイター向けに
ギリシャ神話をわかりやすく学べる入門書を七冊だけに絞って紹介します。
ここで選んだ本は
- 物語として一気読みできる本
- 図解とイラストで関係性が整理できる本
- 創作のネタ帳として長く使える本
をバランス良く組み合わせた「クリエイター用スターターセット」です。
目次
この記事の結論
「まずはこの順番で読む」と迷わなくて済む
先にざっくり結論です。
- 全体像をつかむなら
神々を知ればもっと面白い ギリシャ神話の教科書
一冊でまるごとわかるギリシア神話 - 関係図と世界観を整理したいなら
いちばんやさしいギリシア神話の本
図解 ギリシア神話 - ストーリーの温度を上げたいなら
マンガ 面白いほどよくわかる ギリシャ神話 - ビジュアルと教養を深めたいなら
世界でいちばん素敵なギリシア神話の教室 - 創作のネタ帳として一冊手元に置くなら
はじめてのギリシャ神話解剖図鑑
あとで詳しく書きますが、読み進める順番としては
1 全体像を取る
2 図解で整理する
3 マンガとビジュアルで定着させる
4 解剖図鑑をネタ帳として使い倒す
という流れがおすすめです。
なぜ今、創作勢にとってギリシャ神話が効くのか
副業で創作をしていると、こんな悩みが出てきやすいはずです。
- 完全オリジナル世界を作ろうとして、設定が重くなりすぎる
- なんとなく既視感のあるキャラやストーリーになってしまう
- 仕事のあとに考える気力が残っていない
ギリシャ神話は、そういう時の「骨格」として使える素材です。
- 神、英雄、怪物、都市、戦争や悲劇まで、構造が一式そろっている
- すでに二千年以上「面白い」と証明されている物語パターンの宝庫
- 現代のゲーム、マンガ、ラノベ、映画の元ネタが山ほどある
つまり
- 自分のオリジナル世界に「神話的な骨」を差し込む
- 有名なモチーフを、時代や舞台だけずらして再構成する
これだけで一気に奥行きが出やすいのです。
あとは「わかりやすく」「挫折しない」本を選べるかどうか。
ここからは、そのための七冊を一冊ずつ紹介します。
ギリシャ神話をわかりやすく学ぶ本7選
1 神々を知ればもっと面白い ギリシャ神話の教科書
東ゆみこ 監修 ナツメ社
ナツメ社の「教科書シリーズ」の一冊で、A5判全240ページ。
2023年刊行と比較的新しく、最新の読者ニーズに合わせて組み立てられた入門書です。
- 世界の始まり
- ティターン神族とオリュンポスの神々
- 英雄と怪物
- トロイア戦争
といった王道パートを、図やコラムを交えながら教科書風に整理してくれます。
クリエイター目線でうれしいポイント
- 各章のまとまりが良く、必要な部分だけ引用しやすい
- 基本用語の説明が丁寧なので、うろ覚えでも読み進めやすい
- 物語の流れを追いつつ、キャラごとの役割も把握できる
最初に通読して「ギリシャ神話の全体像」をつかむ一冊として、かなり頼りになります。
2 一冊でまるごとわかるギリシア神話 だいわ文庫
吉田敦彦 著 大和書房
大和書房のだいわ文庫から出ている文庫版入門書。
「神々の愛憎劇を九十分で大づかみにする」というコンセプトで、恋愛、嫉妬、裏切り、戦いなど、人間臭いドラマを中心に語ってくれます。
特徴
- 文庫サイズで持ち運びやすい
- ストーリーの流れを重視した構成
- 仕事や学校の往復の電車で少しずつ読み進めやすい
創作勢へのメリット
- 感情の振れ幅が大きいエピソードを短時間でインプットできる
- キャラの「歪んだ動機」や「エゴ」といった、人間らしい部分の描写に気づきやすい
- ラブロマンスや悲劇パートのアイデア源としても優秀
最初の一冊にしてもいいし、教科書的な本とセットで読むと、「構造」と「情緒」が同時に入ってきます。
3 いちばんやさしいギリシア神話の本
村松一男 著 西東社
西東社から2013年に出た入門書で、カラー版として刊行されています。
ページ数は約255ページで、神々や英雄、人間関係を図やイラストを使って整理してくれる構成です。
おすすめポイント
- オールカラーで、とにかく視覚的に分かりやすい
- 神々の系図、関係図、地図がまとまっている
- 一つ一つのトピックが短めで、辞書的にも使える
クリエイターへの使い方提案
- キャラクター相関図づくりの参考にする
- 自作の世界観に「神々の系譜」を移植するときのテンプレにする
- 似た属性の神をまとめて「この系統でオリジナル神を作る」といった発想にも使える
4 図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ
松村一男 監修 西東社
西東社の「歴史がおもしろいシリーズ」の一冊。
四六判256ページで、神々と英雄の系譜や、トロイア戦争、王家の悲劇までを図解付きで解説する本です。
構成
- 第1章 ギリシア神話とは
- 第2章 世界の始まりと神々
- 第3章 オリュンポスの神々
- 第4章 英雄たちと神の物語
- 第5章 王家の悲劇
- 第6章 トロイア戦争とその後
- 第7章 愛と星の物語
創作勢的にうれしい点
- 時系列と人物関係をまとめて押さえられる
- 悲劇パートや王家の崩壊など、長編ストーリー向けのモチーフが整理されている
- 星座や愛の物語など、短編ネタにも使いやすい小話が多い
「物語全体の構造を見ながら、どこを切り出して自分の作品に使うか」を考えるのにかなり便利な一冊です。
5 マンガ 面白いほどよくわかる! ギリシャ神話
かみゆ歴史編集部 編 西東社
壮大で神秘的なギリシャ神話の世界を、マンガで一気に読める入門書。
A5判192ページで、ゼウスの誕生からオリュンポス十二神のエピソード、英雄たちの冒険、トロイア戦争、ギリシャ悲劇までをストーリー仕立てで描いています。
さらに巻末では
- 星座や芸術との関係
- 神々や英雄のプロフィール
なども整理されていて、「読み物としても、資料としても」使える作りです。
創作勢へのメリット
- 文字で読んだ神話が、感情の流れごと頭に入ってくる
- コマ割りや演出の仕方が、物語構成の参考になる
- 神話ベースのマンガやラノベを作りたい人には、ほぼ必須級のガイド
活字がつらい時期でも読みやすいので、モチベーションを落とさずにギリシャ神話に触れ続けられます。
6 世界でいちばん素敵なギリシア神話の教室
蔵持不三也 監修 三才ブックス
「世界でいちばん素敵な教室」シリーズの一冊。
ギリシア神話に関する素朴な疑問に、一問一答形式で答えるビジュアル図鑑です。
特徴
- 美しい西洋絵画や写真を豊富に掲載
- 神話が美術や文学、哲学にどう影響してきたかが分かる
- 星座や怪物、英雄など、クリエイターが使いやすいモチーフが整理されている
創作勢への使い方
- 絵画や彫刻を見ながら、シーンやポーズの参考にする
- 物語やキャラを「どの絵画モチーフとつなげるか」を考える
- 物語だけでなく「文化としてのギリシャ神話」を押さえて、作品に深みを出す
世界観の密度を一段上げたい時に、とても頼りになる一冊です。
7 はじめてのギリシャ神話解剖図鑑
河島思朗 著 エクスナレッジ
クリエイター視点で見ると、今回の七冊の中でも特に「ネタ帳」として強いのがこの本。
公式サイトでも
- アニメ、ゲーム、小説など、すべてのクリエーター必見
- 万物の起源をたどりながら物語の全貌を理解できる入門書
と紹介されており、ギリシャ神話の名場面や有名キャラクターを、由来と一緒に図解してくれる構成になっています。
収録されている主なモチーフ
- ゼウス、ポセイドン、アフロディテなど主要な神々
- パンドラの箱、トロイア戦争、メデゥサ退治、スフィンクスのなぞなぞなど
- 星座、地名、四季、芸術や医学に関わる言葉の起源
創作勢向けの使い方
- 物語のアイデア出しのときにランダムに開いてモチーフを拾う
- 世界観設定を書くとき「この都市やアイテムの由来」を付けるヒントにする
- ゲームやシナリオの企画で「ギリシャ神話由来のギミック」を組み込む
まさに「ギリシャ神話版クリエイター用リファレンス」として、デスク脇に置いておきたい一冊です。
クリエイター向け 読み進め方と組み合わせ例
最後に、ヤングアダルトから社会人の創作勢向けに「読み進め方」と「組み合わせ」の例をまとめます。
ステップ1 全体像をつかむ
- 神々を知ればもっと面白い ギリシャ神話の教科書
- 一冊でまるごとわかるギリシア神話
この二冊で、まず「世界の始まりからトロイア戦争まで」の大きな流れと、神々の性格をざっくりつかみます。
時間がない人は
平日は文庫を持ち歩いて
週末に教科書で整理する
くらいのペース感で十分です。
ステップ2 図解で関係性を固める
- いちばんやさしいギリシア神話の本
- 図解 ギリシア神話
ここで系図と地図を確認しながら
- どの神と誰が親子なのか
- どの英雄がどの戦争に参加しているのか
- どの都市にどんな物語が紐づいているのか
を「地図的なイメージ」で頭に入れていきます。
自分の作品用の相関図やワールドマップを作るときは、この段階でいっしょに作業してしまうと効率が良いです。
ステップ3 マンガとビジュアルで感情を入れる
- マンガ 面白いほどよくわかる ギリシャ神話
- 世界でいちばん素敵なギリシア神話の教室
ここでは
- 感情の揺れやドラマの起伏を「体感として」覚える
- 絵画やマンガの構図から、シーン作りのヒントをもらう
ことに集中します。
長めの休みの日にまとめて読むと、その後の創作への熱量が一気に上がりやすいパートです。
ステップ4 解剖図鑑をネタ帳として常備
- はじめてのギリシャ神話解剖図鑑
ここまで来たら、あとはこの一冊を「常に開けるネタ帳」として使い込むだけです。
- プロットが詰まったら、適当に開いてモチーフを一つ拾う
- キャラの名前や必殺技、必殺スキルの由来に使う
- ブログやSNSで神話ネタの小話を書く時の下調べにする
という感じで、実務に直結させていくと、読書がそのまま創作や副業の燃料になっていきます。
さいごに
ギリシャ神話は、全部を完璧に覚えなくて大丈夫です。
- 自分の創作ジャンルに刺さる神や物語
- 何度も心に引っかかるエピソード
- なぜか好きになってしまう英雄や怪物
こういう「引っかかり」だけ拾っておけば、あとは作品を作るたびに自然と知識が増えていきます。
今回の七冊は
- 全体像
- 図解
- マンガ
- ビジュアル
- 解剖図鑑
まで、一通りそろった「クリエイター用のスターターセット」なので、あとは手元にお迎えして、少しずつ、自分のペースで遊んでみてください。











