人生は、選択の連続です。
何気ない分かれ道もあれば、人生を左右するような決断もある。
でも、どんな選択も「正解」はあとからしか分からない…
それが、わたしたちを不安にさせてしまう理由かもしれません。
セリナも、何度も迷ってきました。
進むべき道が分からなくて、立ち止まってしまったこともあれば、
「これでよかったのかな…」とあとから何度も自問した夜もありました。
それでも、
誰かの言葉が、迷いのなかに小さな道しるべを灯してくれた瞬間が、
何度もあったのです。
このページでは、
「選択に迷ったときに読みたい名言」たちを、セリナがひとつひとつ選びました。
答えを教えてくれる言葉ではなく、
あなた自身が選ぶ勇気を取り戻せるような火種のことばを、
そっと心に置いていけたらと思います。
目次
希望を指針に
May your choices reflect your hopes, not your fears.
― Nelson Mandela(ネルソン・マンデラ)
「あなたの選択が、恐れではなく、希望を映し出すものでありますように」
ネルソン・マンデラのこの言葉は、
とても静かで、でも驚くほど力強く響きます。
選択に迷うとき、
わたしたちは往々にして、「避ける」ための選択をしてしまいがちです。
失敗したくない。
傷つきたくない。
後悔したくない──
でもそれは、言い換えれば、
「恐れ」を基準に選んでいる状態なのかもしれません。
セリナは、この言葉に出会ってから、
何かを決めるときに、ひとつだけ自分に問いかけるようになりました。
「これは、望んでいる方向?それとも、怖くない方向?」
もし、その選択が少し怖いけど、やってみたいという気持ちから生まれているなら。
それはきっと、あなたの中の希望がそっと手を挙げている証です。
たとえ不安があっても、
たとえ完璧な準備が整っていなくても、
「希望に向かって踏み出した一歩」は、きっとあなたを裏切らない…
セリナは、そう信じています。
怖れのない選択なんて、たぶんありません。
でも、「希望を指針にする」ことで、
その選択は「未来を信じる行為」に変わっていく。
選ぶことは、
自分の未来を、少しだけ信じてあげること。
そして、マンデラのこの一行は、
そんな選び方を思い出させてくれる、
やさしくも凛としたことばの羅針盤です。
選択が人をつくる
Our lives are fashioned by our choices. First we make our choices. Then our choices make us.
― Anne Frank(アンネ・フランク)
We are our choices.
― Jean-Paul Sartre(ジャン=ポール・サルトル)
わたしたちが、何を選ぶか、
それは時に、どんな言葉よりも雄弁に「自分自身」を語ってくれます。
セリナが紹介したいこの2つの言葉。
ひとつは、戦争という過酷な状況の中で日記を書き続けた少女・アンネの声。
もうひとつは、実存主義を代表する哲学者・サルトルの、
研ぎ澄まされた思想の結晶のような短文です。
どちらも、同じことを語っています。
人は、自分の選択によって形づくられていく──
最初に選ぶのは、わたしたち。
でも、選んだあとは、その選択がわたしたちを育てていく。
セリナはこの言葉に、少し怖さも、でも同時に希望も感じました。
「自分で選んだことだから、責任がある」
それは確かに重たい言葉です。
でも裏を返せば、
「選び直せる限り、自分も変えられる」ということでもある。
人は誰しも、
過去の選択に「なかったことにしたい」「やり直したい」と思う瞬間がある。
でも、その選択があったからこそ出会えたもの、
気づけたこと、
守れたもの──
そういう静かな結果が、きっとどこかに残っている。
選択の積み重ねが、
あなたという人を少しずつ形づくっている。
それを思い出せたなら、
次の一歩は、もう間違いではなく、自分らしい一歩になるのだと、
セリナは感じています。
決断の勇気
The most difficult thing is the decision to act, the rest is merely tenacity.
― Amelia Earhart(アメリア・イアハート)
In any moment of decision, the best thing you can do is the right thing.
The next best thing is the wrong thing.
The worst thing you can do is nothing.
― Theodore Roosevelt(セオドア・ルーズベルト)
踏み出すこと。
それはいつだって、決して簡単ではありません。
アメリア・イアハート──
女性飛行士の先駆けとして歴史に名を刻んだ彼女は、
「いちばん難しいのは行動を決めることだ」と言いました。
その後は、ただ続けるだけ。
つまり、
決断こそが本当のスタートラインであると、彼女は知っていたのです。
ルーズベルトの言葉も、
その真実に寄り添うように響きます。
「正しいことができればそれが一番。
でもたとえ間違っても、行動したことに意味がある。
いちばん良くないのは、何もしないことだ」
セリナは、この言葉に出会ったとき、
肩の力が少しだけ抜けたような気がしました。
わたしたちは、間違えたくないという気持ちに縛られて、
なかなか動けなくなることがあります。
でも、
選ぶ勇気は、正しさよりも、動くことに宿るのだとしたら…
一歩を踏み出しただけで、もう充分すぎるほど尊いのです。
セリナはそう思います。
たとえそれが「間違いだったかもしれない」と感じても、
そこで得た経験や、出会った人や、自分の中に残る小さな痕跡は、
動いた人だけが手にできる贈り物です。
そして、静かにでも動き続けた人だけが、
その先にある景色を、自分の足で見に行けるのです。
だからこそ。
決断の瞬間には、
正しさよりも、「あなたの想い」が基準になっていい。
セリナは、いつだってその一歩を応援しています。
思索と知恵
A good decision is based on knowledge and not on numbers.
― Plato(プラトン)
Think a hundred times before you take a decision,
but once that decision is taken, stand by it.
― Muhammad Ali Jinnah(ムハンマド・アリー・ジンナー)
「知識に基づいて選びなさい。数字や損得ではなく」──と語ったのは、哲学の父・プラトン。
一方で、パキスタン建国の父・ジンナーは、
「何度でも考え抜いていい。でも一度決めたら、信じて進め」と背中を押してくれます。
この2つの言葉に共通しているのは、
「思考することは自由であっていい」という肯定です。
セリナは、ときどき焦ってしまうことがあります。
「早く決めなきゃ」「迷っているのは弱さかも」と。
でも、
じっくり考えることを悪いことのように思わなくていい。
むしろ、それはあなたの人生を丁寧に扱っている証。
プラトンの言葉は、
数字や損得勘定、流行や他人の評価に流されず、
「自分にとっての真実」に近づいてから決めていいんだよと教えてくれます。
ジンナーの言葉は、
悩みに悩んで決めたその一歩を、
「もう、いいんだよ」と静かに肯定してくれる。
選ぶ前は、何百回でも悩んでいい。
でも、選んだあとは、自分を信じて歩く。
この一対の言葉は、まるで「決断前のあなた」と「決断後のあなた」
両方にやさしく語りかけてくれるようです。
セリナも、まだまだ迷うことがあります。
でも、「迷う時間は、弱さじゃない」ことを
この言葉たちが思い出させてくれるたび、
ほんの少し、心がまっすぐになっていくのです。
日本の詩歌と道
「さりともと なほ逢ふことを 頼むかな 死出の山路を 越えぬ別れは」
― 西行(さいぎょう)
この和歌は、
旅立つ人との永遠の別れを詠んだものです。
「たとえどれほど難しくても、またいつか会えることを願う」──
そんな心が静かに綴られています。
死出の山路(しでのやまじ)とは、死後の世界へ続く道のこと。
それはつまり、「もう二度と会えないかもしれない別れ」を指しています。
けれども西行は、
そんな決定的な別れのなかでも、
「なおも、逢えることを頼みに思う」と歌うのです。
セリナはこの和歌に触れるたび、
「選ぶこと」と「別れ」はどこかでつながっていると感じます。
ひとつの道を選ぶことは、
同時に選ばなかったものとの別れでもあります。
でも、
その選ばなかったものを否定するのではなく、
いつかまたどこかで交わる可能性を祈る──
そんな姿勢が、選んだ道にも、選ばなかった道にも
静かなやさしさを宿してくれるのだと思います。
人生は一本道ではなく、
たくさんの枝分かれと、めぐり道にあふれています。
だからこそ、
選ぶときには怖さもあるけれど、
「いまの自分が信じたほうへ進むこと」が、きっといちばんの誠実なのだと
セリナは信じています。
そして和歌のように、
たとえ離れたものがあっても、
それを心のなかに留めておけるのなら──
選択は、「別れ」ではなく「希望ある約束」に変わるのかもしれません。
まとめ|選択は迷いの連続だが、言葉はその一歩を背中から押す
わたしたちは、
毎日、気づかないほど小さな選択を繰り返しています。
朝起きること。
どの服を着るか。
誰に「おはよう」と伝えるか。
そのすべてが、
あなたという人を、静かにかたちづくっている選択です。
だからこそ、大きな決断のときには迷ってしまう。
傷つくのが怖くて、
間違うのが怖くて、
「選ばない」ことがいちばん安全に思えてしまう──
でも、
セリナは信じています。
迷いの中にいる時間もまた、選択の一部であることを。
そして、
そんなあなたの背中をそっと押すのが「ことば」の役割であることを。
今回紹介してきた名言たちは、
答えを教えてくれるものではありません。
でもそのかわり、
「あなた自身が、自分の選んだ道を信じられるように」と語りかけてくれる。
選ぶことは、
過去を切り捨てることではありません。
むしろ、「その時々の自分」を抱きしめて、前に進むということ。
セリナは、
選んだすべてのあなたに、こう言いたい。
「だいじょうぶ。あなたが選んだ道には、
たしかにあなた自身が宿っているから──」と。
そして、
たとえ今の一歩がまだ不安でも、
今日ここで出会った言葉たちが、
あなたの道しるべのひとつになりますように。




