忙しい日ほど、夜にハーブティーを淹れてみたくなるんです。
慌ただしく過ぎていく一日の終わり。
頭の中はまだ仕事やSNSの余韻でいっぱいで、
心だけが置いてけぼりになる──
そんな夜、ありませんか?
わたしはそんなとき、
そっとハーブティーを淹れるんです。
湯気が立ちのぼり、
カップの中に香りが広がっていくあの瞬間。
それだけで、心の中に**“間”**が生まれるような気がします。
科学的に見ても、
ハーブティーにはちゃんと“理由”があるみたい。
今回は、**「なぜ癒されるのか」**を静かに紐解きながら、
わたしなりの夜のリセット法を、お届けしますね。
目次
なぜハーブティーは“癒やし”になるのか?
香りと温度がもたらす自律神経への効果
湯気にふわりと立ちのぼる香り──
それだけで、肩の力がふっと抜けた気がした。
そんな経験、あなたにもありませんか?
実はこれ、ちゃんと科学的な裏付けがあるんです。
ハーブティーに含まれる香気成分(精油)には、
わたしたちの自律神経を整える作用があることが知られています。
香りは、嗅覚を通して**大脳辺縁系(感情や記憶を司る領域)**に直接届く数少ない刺激。
そこから副交感神経が優位になり、
呼吸や脈拍がゆっくりと整っていく……。
つまり、「いい香りだな」と感じること=脳の安心スイッチが入ることなんですね。
そしてもうひとつ大切なのが「温度」。
あたたかい飲み物を口に含むことで、
身体の深部体温がほんの少し上昇し、
そのあと自然に下降していきます。
この変化が、スムーズな入眠と心の落ち着きに繋がるのです。

セリナ(Serina)
カップを手にする
──香りが鼻をくすぐる
──温かさが喉をとおる
それだけで、わたしたちの心は
少しだけ、**「安心」**へと傾いていく。
種類別:おすすめの夜ハーブ
カモミール/ラベンダー/レモンバーム
夜にハーブティーを飲むなら、
やっぱり**「心をゆるめるハーブ」**がぴったりです。
ここでは、特におすすめの3種をご紹介しますね。
🍃カモミール(Chamomile)
やさしく甘い、リンゴのような香り。
古くから**「お母さんのハーブ」**とも呼ばれ、
緊張や不安、ストレスによる不眠に効果的とされています。
カモミールの成分は、脳のGABA受容体に作用し、
リラックスと安眠へと導いてくれるんです。

セリナ(Serina)
🌙こんな夜に:
頭の中がぐるぐるして寝つけない夜に。
やわらかく抱きしめてくれるような安心感。
💜ラベンダー(Lavender)
清涼感と華やかさを併せ持つ香りで、
心と身体のバランスを整えるハーブの女王。
芳香成分リナロールが神経を鎮め、
ストレスの軽減や軽度の頭痛、月経前の不調にも効果があると言われています。

セリナ(Serina)
🌙こんな夜に:
心が張りつめた日の終わりに。
少しだけ涙が出そうな夜に。
🍋レモンバーム(Lemon Balm)
レモンのような爽やかさと、やわらかな甘み。
不安や焦燥感をやわらげる作用があり、
**「憂うつな気分の沈静」**に用いられることも。

セリナ(Serina)
🌙こんな夜に:
明日がちょっと怖くて眠れないときに。
自分にやさしくなりたい夜に。
どのハーブにも共通しているのは、
**「あなたのために香る」**ということ。
その静かな存在が、夜の孤独にそっと寄り添ってくれます。
五感を使った“心の鎮静法”
温度・香り・口当たりの余韻
ハーブティーの魅力は、ただ「飲む」だけではありません。
そのひとつひとつが、五感すべてをやさしく撫でるように働きかけてくれるのです。
🌡️温度──“ぬくもり”という安心
カップにそっと手を添えたときの、
じんわりとした温かさ。
この手のひらの体温感覚は、
脳に「大丈夫だよ」と伝える穏やかな信号となります。
あたたかいものを飲むこと自体が、
副交感神経のスイッチを優しく入れてくれるんですね。
🌿香り──“呼吸”が整うひととき
香りは感情の奥深くに届く、静かな鍵。
湯気のなかに漂うハーブの香りを感じながら、
鼻から深く、ゆっくりと息を吸う──
それだけで、呼吸のリズムが整っていきます。

セリナ(Serina)
心がざわつく夜ほど、
香りは「静けさ」へと導く道になります。
☕口当たり──“味わう”ことで今に還る
ひとくち、口に含んだときの舌ざわりや、
喉をとおるときのなめらかさ。
その余韻は、今この瞬間に意識を引き戻してくれます。
これはマインドフルネスにも通じる効果。
味覚という感覚が、わたしたちを「いま、ここ」に優しく繋ぎとめてくれるのです。
五感すべてで味わうということは──
「外の世界を閉じて、内なる静けさに耳を澄ますこと」。
そうして、心は少しずつ整っていくのです。
「淹れる」行為がリズムを整える
夜のキッチンで、ポットにお湯を沸かす。
ティーバッグや茶葉をそっと取り出して、
湯気が立ちのぼるマグカップに手を添える──
その一連の流れは、
ただの「準備」ではなく、**心のリズムを整える“儀式”**でもあります。
🔁 ゆっくりした所作が、自分を取り戻す
忙しい一日を終えても、心はまだ慌ただしいまま。
そんなとき、意識的に動作をゆっくり行うことは、
交感神経から副交感神経への切り替えを促す「呼び水」になります。
ハーブティーを淹れる所作──
それは、心と体の速度を揃える小さなスイッチなのです。
🍃“手を使う時間”は、思考をやわらかくする
お湯を注ぐ音、香りが立ちのぼる瞬間、
ほんの少しの待ち時間──
その“間”にこそ、思考がやわらぎ、
感情がゆっくりとほどけていく余白が生まれます。

セリナ(Serina)
「何もしていない」ようで、
ちゃんと心が整っていく時間──それが、ハーブティーを淹れるひとときです。
ハーブの種類や味だけでなく、
“淹れる”という動作そのものが癒しになる。
その静かな時間の流れが、夜の空気に優しく重なっていくのです。
ナイトルーティンとしてのハーブティー
1日の終わりに「同じ動作を繰り返す」こと。
それはただの習慣ではなく、心の安全装置のようなものです。
🌙 “1日の終わり”を知らせる合図に
ハーブティーを淹れる、という行為を、
毎晩の決まった時間に取り入れるだけで、
心と体は「休む準備」を始めてくれます。
「あ、この香りがしたら、もう夜なんだ」
「この温度に触れると、安心できるんだ」
そんなふうに、**自分にとっての“おやすみスイッチ”**をつくることができるのです。
🕯️「整える」ことで、夢の入り口が静かになる
寝る前のルーティンにハーブティーがあると、
心のざわつきがひとつずつ、音を立てずに消えていきます。
これは、**五感を通じた“心の片付け”**のようなもの。
ぐるぐるとした思考が、静かに引き潮のように引いていく──
そのおかげで、眠りにつく前の数分間すらも、
やさしく、やわらかい時間に変わっていきます。

セリナ(Serina)
翌朝、少しだけ軽い心で目覚められたとしたら──
それはきっと、前夜の1杯が、心を撫でてくれたから。
あなたの夜に、優しい習慣をひとつだけ
癒しは、いつも大きなことじゃなくていいんです。
一日を終えるあなたに、ほんのひとつの優しさが届けば──
それだけで、心は少しやわらかくなります。
🌼 小さな一杯が“境界線”になる
寝る前にハーブティーを飲む、という行為は、
「今日」と「明日」の間にそっと線を引くようなもの。
その境界線があることで、
忙しさも後悔も、ほんの少しだけ切り離すことができるのです。
もう考えなくていい。
今はただ、香りを味わっていればいい──
そんなふうに、心の緊張を緩める瞬間が生まれます。
🫖 習慣は、あなたの味方になる
毎日は変えられなくても、
習慣は変えられる。
1日5分だけでも、自分のためにカップを用意すること。
それが、疲れた夜をやさしく終わらせるための鍵になるのだと、
わたしは信じています。
締め|眠る前の1杯が、心を包んでくれますように。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
わたしは、毎晩きちんと飲めるわけじゃありません。
だけど、少ししんどい日ほど、
あの香りが恋しくなります。

セリナ(Serina)
ハーブの香りが漂うだけで、
まるで「大丈夫だよ」と言ってもらえているみたいで。
そんなふうに──
あなたの夜にも、そっと寄り添う1杯がありますように。
おやすみなさい。
静かであたたかな夢が、あなたに届きますように。