
ミリア(Miria)
社会って、ちょっと遠い。けれど、気になる。
そんなあなたへ、書店員ミリアから静かな選書を。
目次
はじめに|「白書」って、知ってる?
「白書」と聞くと、どこか堅苦しくて、お堅いおじさん向けの読み物──そんなイメージがあるかもしれません。
でも実は、今の社会がどうなっているのか、未来に向かってどう進もうとしているのかを、“国の目線”で教えてくれる一冊。それが白書です。
そして、意外と知られていませんが、その中には電子書籍ストアで無料(¥0)で読める白書もたくさんあるのです。
今回はその中から、特に20代に役立つ「情報」「環境」「ビジネス」の3テーマに絞って、ミリアが選書するようにピックアップ。
就活のネタに、社会の仕組みを知る入り口に、そして、未来を考えるヒントとして──
やさしく、深く、広がる「無料の知」に触れてみませんか?
1. 情報通信白書(総務省)
テーマ:デジタル社会の“今”と“これから”
- SNSやスマホ利用の最新データ
- 生成AIやメタバースといった注目トピック
- 若者のメディア接触やネットトラブルの現状
この白書は、まるで「日本のデジタル地図帳」。年齢別・属性別のSNS利用率、メディアとの関わり方、スマートフォンの普及度や通信技術の進化まで、幅広くカバーしています。
さらに近年では、ChatGPTに代表される生成AIやメタバースなど、急速に進化するテクノロジーに関するトレンドも詳しく取り上げられています。
“Z世代が何を使い、どう感じ、どう未来を形づくろうとしているか”──。その答えのヒントが、ここには確かにあります。
📖 こんな人におすすめ:
- SNSや情報発信に興味がある
- マーケティングやIT業界を目指している
- データを元に語れるようになりたい
- デジタル時代のリスク(フェイクニュース・依存など)も知りたい
📚 無料で読める場所:
- 総務省公式サイト(PDF/EPUB)
【Kindleでも¥0で発見しました】
2. 環境白書(環境省)
テーマ:SDGs時代の地球と暮らし
- 気候変動とその対策、日本の取組み
- 環境教育・若年層の意識調査
- プラスチックごみやエネルギー問題の解説
この白書は、地球という“共通の家”で暮らす私たち全員に向けた、やさしい提案書です。脱炭素、再生可能エネルギー、プラスチック削減──よく聞く言葉の“中身”が、きちんと整理されて読みやすくまとめられています。
特に注目なのは、若者世代の環境意識やライフスタイルの変化をとらえた調査結果。たとえば「エシカル消費」や「ゼロウェイスト」の実践度、環境ボランティアや学校教育の現場の声など、同世代のリアルな取り組みも紹介されています。
📖 こんな人におすすめ:
- SDGsやサステナブルに関心がある
- エシカル消費や環境活動を学びたい
- 環境系の企業やNPOを志望している
- 社会貢献や未来の生き方に、意識を向けてみたい
📚 無料で読める場所:
- 環境省公式サイト(PDF/EPUB)
【Kindleでも¥0で発見しました】
3. 中小企業白書(中小企業庁)
テーマ:ニッポン経済の“等身大”が見える
- 中小企業の働き方、リアルな経営課題
- 副業・起業・DXの現場
- 地域ビジネスやローカルイノベーションの動向
テレビやニュースでは見えづらい「経済の現場」。この白書では、大企業ではなく“町の企業”や“地域の挑戦者”たちに焦点を当てています。
起業や副業といったワードに反応する人なら、この白書はまさに必読。どんな困難があり、どんな支援があって、どんな工夫で乗り越えているのか。その“泥臭くてリアルな”経営の姿が、データと共に語られています。
また、商店街のデジタル化や地域ベンチャーの事例など、ローカルとテクノロジーが融合する瞬間を見つけることもできます。
📖 こんな人におすすめ:
- 起業やスタートアップに興味がある
- 地方創生・地域づくりを学びたい
- BtoB業界やDXを研究している
- 経営の裏側を知ってみたい
📚 無料で読める場所:
- 中小企業庁公式サイト(PDF/EPUB)
【有料で紙の書籍ならAmazonにもありました】
おわりに|知ることで、社会はちょっと近くなる
白書は、読もうと思えば誰でも読める「開かれた知識」です。
でも、その存在に気づかなければ、ページをめくることすらない──。
この記事が、あなたと白書との、はじめての出会いになりますように。
社会は、想像よりもずっと近くて、やさしくて、学びに満ちています。
気になるテーマから、1冊だけでも。
きっと、その先に世界との新しいつながりが見えてくるはずです。
またいつでも、書棚でお待ちしていますね。
──書店員ミリア